Laxenanchaos / Transform Ordinary Events Into Miracles
 
01 Transform Ordinary Events Into Miracles
02 Harlequin
03 Dog With Snow
04 South Island Hanabi
06 A Dream In A Dream In A Dream...
07 Phantom Summer Memory
08 Cardiac Sound
09 The Angelic Process

LABEL : Virgin Babylon Records
CATALOG : VBR-047
FORMAT : CD
PRICE : CD ¥1800

: JAPAN

: INTERNATIONAL

: bandcamp


この度、Virgin Babylon Recordsからリリースされる Laxenanchaos新作フルアルバム「Transform Ordinary Events Into Miracles」を記念し、 6/22にラクセナンのリリースパーティーを兼ねたイベント「SUNCAQ2周年祭」を主催する、 ばいを般若とHappySadCoreによるブレイクコア談義が行われた。


HappySadCore(以降HSC)
今日はよろしく。


Biohannya(以降Bio)
よろしく。
Laxenanchaos新作フルアルバムのリリースという事で、大阪でも僕達SUNCAQによるレコ発を行うわけだけど、 まず、ラクセナンを語る上でも重要なブレイクコアというジャンルについて話しておくべきかなと。

HSC
そうだね。よく言われるのは同時多発的に誕生したという話だけど、具体的にはいつ頃誕生したものなのかな?


Bio
いきなり難しいね(笑) 諸説ありで結論出てないだろうけど…
多分、ブレイクコアと言われた最初期の音楽は90年代からあるんじゃないかな。 個人的には各ジャンルの中でも突出して枠から外れた異端的なものがブレイクコアになっていったと思ってる。 それが色んなジャンルやシーンで起こってたから、同時多発的って言われてるんじゃないかな。

HSC
なるほど、90年代というと音楽全般に電子楽器やDTMが導入されだして、僕も当時よく聴いていたポストロックやミクスチャー、 サンプリングや打ち込みを用いたサウンドが目立ってきた時期だね。


Bio
当時は僕もバンドサウンドを中心に聴いてたな。
恐らく様々なアーティストが実験的なアプローチを行っていたし、それが後にブレイクコアと呼ばれる音楽だったりしたんじゃないかなと。

HSC
その当時、異端というとAphex TwinSquarepusherのイメージが強いね。


Bio
表立って広く認知された初動となると、その辺りじゃないかな。


HSC
自分の中でブレイクコアだ!ってなったのはCexRole Model(2000)KID606Kill Sound Before Sound Kills You(2003)あたりだけど そうなるともうゼロ年代突入してるね。
World's end girlfriendの初期作品Dream's End Come True(2002)ブレイクコアを感じたし、ROMZ Recordsも衝撃だったな。 サイケアウツや初期のレオパルドンとかナードコア的な要素も、ブレイクコアの源泉的なところに大きな影響を与えてると思う。


Bio
やはり、その辺りからだよね。


HSC
当時から突き抜けたものがあったなー。


Bio
今もだけど、日本はブレイクコア的に世界の注目度が高いと思うよ。


HSC
当時はどんな感じでDigしてた?


Bio
僕はその当時、東京に住んでいて、Warszawaというブレイクコアを取り扱ってるレコード屋で
ROMZのリリースを買い漁ったり(ナードコアはGUHROOVY)、イベントにも良く通ってたし、その辺りで影響受けて育ってきたなあ。


HSC
ばいを般若や日本のブレイクコアというと大阪のイメージが強いけど、東京だったんだ。


Bio
東京もMURDER CHANNELなんかが精力的にイベント開催してたし、
レーベルとしてのリリースもブレイクコア・ゴッドのVenetian Snaresが参加してたり、
僕らも招聘したMonster Xのリリースしてたり、今も注目してるよ。


HSC
マダチャンといえばラクセナンも度々登場してるGHzもブレイクコア・シーンとは切っても切れない関係だね、特集記事なんかも毎回アツい。


Bio
そうだね、東京は東京でアツかったな。
もちろん東京だけじゃなく、東京に住んでいた当時から、大阪までMIDI_saiというイベントに遊びに行ったり、
Breakcore Records(後のElectoro Violence)というレコード屋にも年に何回も通ってたし、最終的に引っ越したけどね。


HSC
すごい情熱だ(笑)


Bio
ブレイクコアが好きすぎたので…


HSC
当時はブレイクコアに飛びついてたな。
今ではジャンルを象徴するビートとして定着してるアーメンブレイクに対してもそんなに知識がなくて、
それでも「あのブレイクビーツが入ってるやつ」っていう括りでDigってたのを覚えてるよ。
MIDI_sai主催のKA4Uくんから聞いた話だけど、まだブレイクコアって名が定着する以前、
ブレイクコアレコーズ(エレクトロバイオレンス)ではハードエレクトロって名前がついてたらしいね(笑)
ところで、Breakcore Recordsって名前がそのままだけど、そのレコ屋さんがブレイクコアを名付けたのかな?


Bio
流石にBreakcore Recordsから名称が世界に定着していったとは考えにくいし、それも同時多発的なんじゃないかな。
これは余談だけど、当時は僕含め、関西中心にブレイクコアの人は大体ロン毛だったのも同時多発的(笑)


HSC
確かにその時代、自分も何故かロン毛だった(笑)
MIDI_saiのクルーもほぼロン毛だった気がする…髪の毛じゃないけど、イベントの息も長いよね、もうすぐ20周年っていうのは本当に凄い。


Bio
MIDI_saiとその界隈はリビング・レジェンド感が凄いし、千日前の味園ビル内にあった、どCOREも完全に伝説。


HSC
MIDI_saiクルーの一人、OVe-NaXxとの出会いにもなった場所なんだけど、どCOREはブレイクコアマンにとって聖地の一つだったな。


Bio
消火器事件とかハチャメチャな事が多々あったし、よく続いてたなと思う(笑)


HSC
存在自体がブレイクコアだったね(笑)


Bio
他にもディスコビーンズ(大正ぺろり)とか、大阪にはブレイクコア勢の集まる場所があって面白かったけど、
今はSNSが普及して常にみんな繋がってるから、そういう場所が必要なくなってるのかな?

HSC
なるほど、そのネットの中でも移り変わりが目まぐるしかった印象あるね。


Bio
そうだね、ブレイクコアが活発に出だしたゼロ年代当初はBandcampもSoundcloudも無かったし、
アングラ音楽の発表の場はMySpaceという音楽SNSがその位置だったよね。


HSC
当時はHTMLでカスタムできて、ブレイクコアのアーティストページはカオスなの多くてdigるの面白かったな。
現在はベルリンで活動してるSchusei aka ovaleskMiii(Maltine Records)の別名義Dust.cだとか、
今も活躍する日本人アーティストの事もMySpaceで知ったし、
まだブレイクコアやってた頃のItal Tekだとか、アンダーグラウンドで現在の大物アーティストのDIYな動きが感じれてたと思うと面白いな。


Bio
MySpace時代に知り合ったアーティストも大勢いるし、ブレイクした人や辞めた人、色々いるけど、
今も活動続けてる人はやはり相当レベルアップしてるよね。
当時はHTMLでやりたい放題できてあれだけ拡張性高いSNSは無かったし、
音楽だけじゃなく絵を描くアーティストも含め、ありとあらゆるアーティストがやっていたから凄く好きだったな。


HSC
アングラの発表の場がSoundcloudに移り変わったのはブレイクコアにとっても大きな変化だったよね。


Bio
まだ多くのアーティストがMySpaceをやっていた頃は、誰も知らないヤバい人やネットレーベルが追い切れないほど増えてたけど、
ダブステップが流行り始めてSoundcloudに人が流れていった辺りで、ブレイクコアにとっても大きな過渡期だったなって思うよ。


HSC
Soundcloudといえば、僕も出演させてもらったけど、先日公開された、ばいを般若のドキュメンタリーは凄く良かった(笑)
Dig力で世界に名前を知らしめたなんてそれこそレジェンド。


Bio
僕は特に曲作ってるわけでもないのにSoundcloudから世界で知られるようになったし、
ラクセナンも出演したUKのBangface Weekenderとか、
今回、僕やNumb'n'dubSavage States浦飯幽子っていう大阪勢がまとまって出演するBalter Festivalとか…
世界的に見ても大きいフェスに関われたり、
来日アーティストのプロモーターとか色んな仕事に繋がってるのはSoundcloudの影響で間違いない。


HSC
本当に、ばいを般若の存在やプロモーターとしての動きってシーンに大きな意味をもたらしてると思うよ。
海外フェスというのもあって国内ではあまり大きく話題に上がらなかった印象だけど
昨年JAPAN INVASIONとしてバングフェイスで多くの日本人アーティストがお披露目されたのも、
アンダーグラウンド・シーン全体として見ても、とても面白い出来事だったしね。


Bio
そうだね。僕達がやってるSUNCAQカクアレカシでも、少しでもシーンに貢献できてたら嬉しいな。


HSC
今までのブレイクコア周辺では考えられないくらい大勢の海外アーティストの来日公演につながってるし、
CDRSHITMATなんていうとんでもないアーティストをDOMMUNE通じて全国に配信する事もできた(笑)


Bio
視覚的なライブパフォーマンスの面白さって意味でも、シットマットやCDRみたいなクソイコアがすぐ例にあがっちゃうけど、
そういう、ただ聴くだけじゃないエンターテイメント性を秘めてるのもブレイクコアの特徴的なところだよね。


HSC
ブレイクコア界では昔から被り物をしてライブしたり、派手なカルチャーがあるよね。


Bio
そうそう。例えば海外だとThe SATANだったりラクセナンもアーメンアノニマスだけあってマスクしてるし、
僕もライブ用の衣装とかその時だけする髪型だったり専属のパファーマンス集団なんてのもあるくらいだけど、
ライブでしか味わえない面白さってあるから、ブレイクコア聴いて気に入ったら是非イベントにも来て欲しいな。


HSC
匿名アカウントで楽曲を発表するアーメンアノニマスの登場や天一アーメンってバトル企画なんかも、
現在のブレイクコアを語る上で外せないよね。


Bio
ブレイクコアの老舗ネットレーベルOtherman Recdordsと共同で進めてた天一アーメンも
思った以上に沢山の人が参加してくれたし、またやりたいな。


HSC
アーメンアノニマスが沢山生まれたよね(笑) Otherman RecordsでもRadio Active Hardcoreとの共同製作でアノニマス・コンピがリリースされたりする程だったし。


Bio
日本のブレイクコア界はアーメンアノニマスみたいな独自のカルチャーが生まれてるのが面白いよね。
ラクセナンもその一人だし、今年はドイツのFreqs of Nature Festivalの出演も決まったみたいで、世界からも更に注目されるといいな。


HSC
今回、ラクセナンのリリースや海外フェス出演で、その辺りの動きも掘り下げる人が増えてくれると嬉しいね。


Bio
昔はPeace Offだったり、憧れの海外レーベルでリリースするのが目標だった人も多いと思うけど、
去年のJAPAN INVASIONがきっかけで、いつかバングフェイス出たい/行きたいって人も見かけるし、
東京や大阪でバングフェイス名物のバナー掲げてるのもよく見かけるようになったから影響受けてくれた人多いんじゃないかな。


HSC
世界的に見ても大きなステージに、昨年、今年と立て続けにブレイクコア周辺ジャンルの日本人アーティストが登場するようになって、
ますます目が離せない面白い状況だと思う。


Bio
日本はブレイクコア人口が比較的多いと思うし、特に若くて才能ある子が大勢いるから海外進出目指して頑張って欲しいね。
今回のリリースもそういう入り口になると思うし、更に注目が集まって、日本がブレイクコア・シーンをリードしていけるようになれば最高。


HSC
そんなラクセナンの新作「Transform Ordinary Events Into Miracles」だけど、
ブレイクコアの位置付けとしては、どんな系譜を感じるものになってる?ばいを般若の感想を聞きたいな。


Bio
ラクセナンのアルバムは僕も先に聴かせてもらったけど、
他に誰もやってないタイプだから位置付け考えるの難しいし、ブレイクコアとして見ても異端だよね。
昨年のDeep Space Objectsからのリリース「Mental Akses」や、
つい最近のCOCK ROCK DISCOからのリリース「Bipolar Order」でも伺えるけど、
最近彼がハマッてたフットワーク要素もありつつ、アルバム通して聴くとフットワークに傾倒し過ぎないバランスで、
全ての持ち味出せてたというか…これまでの集大成な感じがあった。
でもやっぱり先行公開曲のHarlequinみたいに、お得意の細かいIDMや、激しいブレイクコアなのに
後ろの音はエモーショナルなドローン/アンビエントっていう、静と動が共存してるラクセナンらしさが一番の魅力だね。
普段ブレイクコア聴かないようなVirgin Babylon Recordsのリスナーや、
ハードコアで攻撃的なアーメンブレイクバキバキのブレイクコア中心に聴いてる人にとっても斬新で、新しい扉開けそうな気がする。


HSC
確かに。これまでのラクセナンを一枚にまとめたような、トータルで聴き込める内容になってるよね。
COCK ROCK DISCOからのリリースは、僕の変名のCaramel Brain IdeasとのVSスタイルのスプリット作品になってるんだけど、
D.J. FulltonoさんやNumb'n'dubがライナーノーツを書いてくれていて多方面にアプローチされてるし、
今回のVBRからのリリースも併せて、ブレイクコアの雑食性が単なるごった煮じゃないって言うのを示す存在になってるよね。


Bio
幅広いリスナーに楽しんで欲しいね。
これを読んで気になった人は、ラクセナンのレコ発も兼ねた6/22のSUNCAQ2周年にも是非来て欲しいな。


HSC
そうだね。オランダから来日するMEOW MEOWは勿論、健康胎児extremeOBSNといったブレイクコアでも特に強烈なアーティストが出演するし、
今のブレイクコアの面白いところが詰まっていると思う。
今日は久しぶりに話しこめて楽しかったよ、6/22も盛り上げていきましょう!



HappySadCore
奈良県出身。
楽曲製作、DJ、オーガナイザー、グラフィックデザイン等マルチに活動。
奇才Aphex Twinに強く影響を受け、Caramel Brain Ideas、ANATOMICA、HappySadCore、HSCといった複数名義を持つ。
これまでにelectr-ohm、Merryworks、Sabacan Records、CLOCK HAZARD、Mash Potato Records、OMOIDE LABELなどの国内レーベル、
Dead Knife Records(RS)、Freaky Troopers(FR)、Technosforza(DE)、House Place Records(DE)、
The Collection Artaud(DE/JP)、COCK ROCK DISCO(US)などから楽曲を発表。
SUNCAQ、CAQARECACをばいを般若らと共に主催する傍ら、現在はTechno、Juke/Footworkなどの楽曲製作に取り組む。
https://soundcloud.com/hsc


ばいを般若
ネット上のSICKな音楽をディグり続ける世界屈指のディガー。
サウンドクラウドでのコメントの多さと早さは国内外からネタにされ、
「世界一のブレイクコアファン」という曲が勝手に作られたり、
LIKEの早さが人間の範疇を超えているとサウンドクラウドから警告がきて
「サウンドクラウドの神」と呼ばれるまでになった。
また、プロモーター、オーガナイザーとしても活動しており、JAPAN INVASIONを企て、SUNCAQ、CAQARECACを主催する一人。
https://twitter.com/biohannya